世田谷文学館で開催中の「日本SF展」

世田谷文学館で開催中の「日本SF展」に行ってきた。
最近、昭和40年代のSF小説に興味があるんだけど、ちょうどこの「日本SF展」というのが行われているのを知った。ポスターからして真鍋博さんのイラストのようで、監修には筒井康隆さんが入っているので期待大なわけである。世田谷文学館に到着すると、私よりも一回りくらい年配の男性グループがちょうど入館していたが、子供の頃、同じように心躍らせていたんじゃないかな。
展示はいくつかのコーナーに分かれていて、円谷プロコーナーとか鉄腕アトムコーナーなんてえのもあった。ゼットン、バルタン星人、クール星人のための手書きアイデアスケッチにはびっくり。手塚治虫さんの直筆原稿もたくさん展示されていた。
星新一さんの作品でイラストを描いていた真鍋博さんのコーナーには感激。イラストオリジナルが展示されており、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』用のもあった。大阪万博用のイラストは良かったなあ。切った千代紙を貼付けたりもしてでき上がっていて素敵だった。真鍋博さんのオリジナルイラスト欲しいなあ。
筒井康隆さん、星新一さん、小松左京さんなど、作家ごとのコーナーもあって、原稿や映画『日本沈没』の絵コンテなんかもある。一番良かったのはその作家さんが話したあるいは書いた感慨深い言葉だ。
こういう展示会が行われるというのは、一方で残念ながら日本でSFの人気がいまひとつということなのかもしれない。漫画やアニメそしてゲームではSFというのは欠かせないだろうけど、ぜひSF小説は読まれてほしい。「きょうの想像力があすを築く」という星新一さんの言葉が紹介されていた。筒井康隆さんのコーナーでは「妄想」することについて語られていた。SF的なことではなくても、想像力をつけるためにSF小説を読むというのはいいことなんだろうなあ。

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