会社を辞めた理由はこの本に書かれていた。『減速して自由に生きる: ダウンシフターズ』(高坂 勝)

昨日をもって会社を辞めて脱サラを目指すことした。理由はいくつもあり、その総合的な結果としてこの道を選ぶことにした。最近この本を読んでほとんど共感できることばかりだった。まさにこの本に書かれていたことを考えていた。55才になった自分の人生をここらで“ダウンシフト”させてスローでシンプルな生活に切り替えたい。金銭的な余裕を捨てても時間的な余裕に切り替える。今日から私もダウンシフターズです。
書かれていないこともある。簡単に言うと、ITやインターネットに対する失望感だ。罪悪感に近いかもしれない。インターネットは人々の役に立つ、そのインターネット業界に携わっていきたいと約10年前に感じて建設業界から転身した。今でもある面ではインターネットは確かに人々の役に立っている。コミュニケーションに関する利用によって、住む地域や利用するデバイスにかかわらずいつでも自由に会話ができるというのはすばらしいことだと思う。しかし、ITやインターネットは貧富の差を拡大させているのはまずい。“効率化”のために活用され、結果的に人間の仕事を奪っている。そのITやインターネットの片棒はもう担ぎたくないということだ。
そもそも正社員でも明日が保証されていない今の世の中、富裕層はごく一部で、そこに富みは集中している。労働時間を提供しても生活がままならない人はどんどん増えていく。個人の能力、合理化、効率化という言葉にだまされてはいけない。富裕層のあくなき強欲さの餌食になるだけだ。大きな会社に勤めても幸せな人生は約束されない。そろそろ違うことに人生の価値を持って生きていく世の中に変わっていかないとならないと考えている。この考えを実践したくて会社を辞めた。


"減速して自由に生きる: ダウンシフターズ (ちくま文庫)" (高坂 勝)

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